
埼玉県春日部市に本社を構えるブランは、4月20日(月)、認証機関のオーガニック認定機構(OCO)より、日本で初めて塩のオーガニック認証を取得した。認証を取得した商品は「徳之島オーガニックソルト」(全4種)は現在発売中だ。
「自然塩」「天然塩」の表示は禁止されている
伝統的な製法で誠実につくられた塩は、「自然塩」「天然塩」と呼ばれ、消費者に親しまれてきた。しかし現在、これらの言葉は商品名・広告・Webサイトを含むあらゆる表示において使用が禁止されている。
食用塩の表示を定めた「食用塩公正競争規約」(消費者庁・公正取引委員会認定)では、「自然塩」「天然塩」およびこれに類する表現について、「定義があいまいで、根拠なく健康に良いといった優良誤認を与えかねない」として、商品名・広告・Web販売を含むあらゆる表示への使用を禁じているためだ。
この規約により、誤認を与えるような表記や過度に良質を装うような表記を抑制できる一方で、化学処理を一切行わず自然由来の原料だけで誠実につくられた塩であっても、その価値を消費者に伝える共通の言葉が存在せず、伝統製法を守る事業者が正当に評価される手段も、それを消費者が選ぶ根拠も、ともに失われているのが現状だ。

そこでブランは、「オーガニックソルト認証スキーム」の策定に参画した。オーガニックソルト認証は、現状では、その空白を埋める唯一の仕組みだ。
原料の自然性・製法の純粋性・工程の完全性を第三者が審査し、製品の自然性と信頼性を客観的に担保する認証を目指しているという。
製造地は世界自然遺産・鹿児島県徳之島

「徳之島オーガニックソルト」(全4種)はその名のとおり、徳之島でつくられている。 徳之島は鹿児島市から南へ約468km、奄美群島のほぼ中央に位置し、2021年にユネスコ世界自然遺産に登録された島だ。
「徳之島オーガニックソルト」(全4種)は、伊仙町ミヤトーバル地域に広がる「メランジ地層」(海洋プレートが沈み込む地域でのみ形成される珍しい地質)でろ過された伏流水と、サンゴ礁の海水が交わる汽水域の海水を原料としている。

江戸時代からミヤトーバル海岸で受け継がれてきた塩づくりの製法を現在も継承。汲み上げた海水を職人が薪でおよそ2日間炊き上げ、その後2日間あまり天日干しで仕上げている。化学物質・添加物を一切使用しない、この全工程が認証審査の対象となっている。
「この味を失ってしまうのは、もったいない」
このプロジェクトは、ブラン代表の千葉陽子氏の母・洋美氏が、さいたま市から故郷・徳之島へUターン移住していた中で、2024年に地元伊仙町の塩と出会ったことから始まった。
洋美氏は、伝統製法で今も細々と作られているその塩の美味しさに感動して「この味を失ってしまうのは、あまりにもったいない」と発言したという。
約90年間続いた塩の専売制度により、一度は日本中から伝統製法の塩が姿を消し、工業塩を食塩とした歴史がある。今また、後継者不足によってその灯が消えようとしている。
その現実を知った千葉氏と仲間たちは、この良い塩を守ることと、日本全国で同じ状況の方々を「信頼を明確化」することで守れるのではないかと思い、認証スキームの構築を同時に決意したという。
ブランは次のようなコメントを寄せている。
「(前略)この日本オリジナルの厳しい認証規格は、日本の伝統製法でつくられた美味しい塩が世界に認められるための規格でもあります。オーガニックソルト認証は、そうした事業者が自らの取り組みを客観的に証明するための共通言語です。(後略)」

また、日本のオーガニック食品の市場規模はわずか1.5%程度と、欧米と比較してまだまだ発展途上にある現状を受け、本社の近くで、無農薬の野菜作りにも着手している。
商品ラインナップ(4種)

「徳之島オーガニックソルト」は、雑味がなく素材の旨味を引き立て、日常使いにぴったりな「徳之島オーガニックソルト -基本の塩-」、新月の大潮に採水し、大地のミネラルを感じるまろやかな味わいが特徴の「徳之島オーガニックソルト -新月の塩-」、
満月の大潮に採水し、五味を強く感じる重厚でリッチな味わいが特徴の「徳之島オーガニックソルト -満月の塩-」、結晶の粒子が大きく口の中でゆっくり溶け出す深い旨味が特徴で、仕上げ用に最適な「徳之島オーガニックソルト -花の塩-」の全4種。
価格は15g¥389(税込)~で、HP内 公式オンラインショップから購入できる(「徳之島オーガニックソルト -花の塩-」は近日再販開始予定)。興味がある人はチェックしてみては。
徳之島オーガニックソルト:https://tokunoshima-organicsalt.com/
(オガワユウコ)